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■スルガ銀行の「かぼちゃの馬車事件」の振り返り
そもそも、スルガ銀行の『かぼちゃの馬車事件』は、どんな事件だったのでしょうか?
女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」などを巡る投資用不動産向けの不正融資問題について、2020年3月25日、スルガ銀行とシェアハウスオーナーが解決方法で合意しました。
しかし、今回の解決方法について、多くの投資会社や投資家からは、疑問の声も上がっています。
この問題は、「サブリース」の不動産投資手法に起因しています。
サブリースとは、不動産会社が不動産のオーナーさんに対して、毎月の家賃を保証する制度です。
賃貸物件を持つオーナーさんから、不動産会社が一括で部屋を借り上げます。
そして借上げた部屋に、入居者を探して又貸しをします。
部屋を又貸しをすることで、毎月の家賃を保証しているのです。
オーナーさんは、自ら入居者探しをする必要がなく、空室リスクがない上、賃貸物件の運営・管理も行わなくて済みます。
見た目や建築会社の出す収支計画書では、バラ色未来が描かれているいます。
しかし、サブリースについては、満室や入居率が90%を超えていれば問題ありませんが、家賃低減や大規模修繕などもあり、その収支計画書通りに事業は進まないのです。
つまり、サブリースは構造的に問題のある商品なのです。
このサブリースを使い、女性向けシェアハウスを「かぼちゃの馬車」というブランド名で積極的に展開したのが、不動産会社「スマートデイズ」でした。
2015年に、「30年間家賃保証」を謳ってスタートした「かぼちゃの馬車」は、年8%以上の利回りを保証していたのです。
ただし、建築で儲ける為、居住については、極小の部屋に、必要最低限の設備で、生活するのも難しい作り方でした。
当初は順調だった「かぼちゃの馬車」ですが、当然ながら、次第に入居率に陰りが見え始めます。
そして、50%に満たない物件が増加し始めるのです。
2017年11月には、オーナーさんに支払うサブリース賃料の減額が行われます。
そして、ついに2018年1月には賃料の支払いが停止したことで、問題が表面化したのです。
スマートデイズは、最盛期には都内で800棟のシェアハウスを運営・管理していました。
しかし、この問題は、その後“予想外”の展開を見せます。
「かぼちゃの馬車」の賃貸物件のオーナーさんに、スルガ銀行からの融資を受けて物件を購入したオーナーが多数いることが判明しました。
スマートデイズが、オーナーにスルガ銀行からの融資を斡旋していたことも明らかになり、スルガ銀行とスマートデイズの“深い関係”が徐々に明らかになりました。
さらに、スルガ銀行が借り入れ希望者の源泉徴収票や預金残高を改竄したり、契約書を偽造したりする不正融資が横行していたことも判明します。
実勢価格より高値で物件を買わされるなど悪質なケースもあり、返済に行き詰まるオーナーが相次いだのです。
クエスト不動産経営管理(株) 石光良次