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免疫力について②

2020/07/10

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 -Tarazan Web- 2020年7月9日記事


『「まんがで学ぶ、免疫にまつわる17のキーワード」、免疫力は高いほどいいわけではないって知ってました?』


https://news.yahoo.co.jp/articles/339e387689104a6e0c4a14bc08028a3767746bd1 >



11. 新型コロナウイルスは何が新型?

ヒトに風邪を起こすコロナウイルスは従来4種類あった。それとは別に他の動物からヒトに感染するようになったものが、新型コロナウイルス。コウモリから感染したSARS(重症急性呼吸器症候群)コロナウイルス、ヒトコブラクダから感染したMERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルスがあり、コウモリから感染したとされる今回の新型コロナウイルス(COVID-19)が新たに加わった。

コロナウイルスもインフルエンザウイルスも季節ごとに微妙に変化する。ヒトは遺伝情報の複製ミスを修正する仕組みを持つが、ウイルスは原始的すぎて同様の仕組みがなく、ランダムに形が変わる抗原ドリフトを起こす。このため過去の抗体もワクチンも効きにくい。

新型と呼ばれるインフルエンザやコロナウイルスは、抗原シフトという現象で生じる(新型コロナが抗原シフトで生じたかは不明)。一つの細胞に複数のウイルスが感染し、雑種ウイルスが出現。表面の抗原が刷新されるため、ほとんどの人が免疫を持たず、世界的な規模で流行するパンデミックが起こる。


12. 免疫力を測定するのは難しい

免疫がアップしたかどうかを鑑定するのにいちばん使われるのは、血液中のNK細胞やTリンパ球の数。でも、これらが増えても、免疫が上がったとは言い難い。血中で活動するリンパ球は全体のわずか2%。その数の変化が、免疫の強さを反映するわけではない。
加えて免疫は明暗のリズムを刻む体内時計の支配下にあり、免疫細胞の数は日中に増えて夕方以降は減る。いつ測るかで血液中の免疫細胞の数はガラリと変わるから、それだけでは免疫機能は正確には評価できないのだ。


13. 免疫力と病原体の強さのバランス

感染症に罹るかどうかは、免疫力の強さと、病原体の強さのバランスで決まる。
免疫力の強さは、自然免疫と獲得免疫のトータルパワー。病原体の強さは、体内に侵入した病原体の量と、病原体の感染力の強さを掛け合わせたもの。いくら免疫力を高めても、病原体の強さが強力だと感染症に罹る。イタリアでは、新型コロナと不眠不休で戦っていた医師が100人以上亡くなった。睡眠不足やストレスで免疫力が下がったところに、新型コロナに晒される機会と時間が長く病原体の攻撃力が強くなりすぎたからだろう。


14. 免疫力は高いほどいいわけではない

免疫力が病原体より強いと感染症の危険は去るが、免疫力は高いほどいいわけではない。
免疫は自己と非自己を区別し、病原体のような非自己を見つけて排除する。でも、自己と非自己の区別は不完全。正常な細胞を誤って攻撃することもある。そうした免疫の暴走を防ぐのが、リンパ球の一種の制御性T細胞。

過剰な免疫に制御性T細胞などでブレーキがかからなくなると、自分の正常な細胞を攻撃するリンパ球の数が増えすぎて組織を破壊する。

これが自己免疫疾患。関節リウマチ、膠原病、1型糖尿病、多発性硬化症などだ。


15. アレルギー疾患と免疫の関わり

花粉症や食物アレルギーなどのアレルギー疾患も免疫の暴走による。

自己免疫疾患は免疫細胞が正常な細胞を攻撃して生じるが、アレルギー疾患は病原性のない無害な物質(アレルゲン)に免疫が過剰に応答して生じる。
アレルゲンと接する機会が多い皮膚や粘膜にはマスト細胞(肥満細胞)が控えており、細胞の表面にIgEと呼ばれる抗体をアンテナのように張り巡らせる。アレルゲンはIgEに合体すると、マスト細胞が刺激されて炎症の元となるヒスタミンなどの化学物質が分泌されてアレルギーの症状が出てくるのだ。


16. 慢性炎症が万病を招いている

昔は感染症で死ぬ人が多かったが、ワクチンの開発と公衆衛生の向上により感染症で死ぬ人は減ってきた。代わりに増えたのが、心臓病、脳卒中、がんなどの生活習慣病。免疫は実をいうと生活習慣病にも関わる。
背景にあるのは、免疫の暴走。具体的には慢性炎症だ。炎症も実は免疫の一種。異物が侵入すると、マクロファージなどが炎症を促すサイトカインを分泌する。この炎症性サイトカインで周囲の細胞が活性化され、免疫反応を促す。炎症で細胞が傷つくと、そこから傷害関連分子パターン(DAMP)が分泌される。それが全身の細胞の異物センサーを刺激して免疫反応が促され、本来一過性の炎症がダラダラ続いて慢性化。臓器の機能不全と代謝の乱れなどから、生活習慣病を起こす。
慢性炎症を起こすきっかけは、糖質、脂質、塩分、アルコール、カロリーの過剰摂取。これらが多い加工食品やファストフードを控えるなど、まずは食生活の改善を心がけたい。


17. なぜ免疫でがんは防げないのか

日本人の死因の1位はがん。がんは、突然変異による遺伝子の異常や、遺伝子変異を伴わない異変などで、正常な細胞が異常な増殖能力を得たもの。免疫でがんは防げないのか。
がん細胞には「ネオ抗原」と呼ばれる目印があるが、免疫反応を起こす力が弱い。加えてがんは、免疫の暴走を防ぐ制御性T細胞を増やし、免疫を抑える悪知恵も働く。
こうしたやっかいながんに、ワクチンで対抗しようという動きがある。ワクチンは通常予防のために用いられるが、がんワクチンは治療目的。がん患者から取り出したTリンパ球から、遺伝子工学的な手法により、ネオ抗原を認識してがん細胞を攻撃するCAR-T細胞に作り替えて戻すという方法などがある。


PROFILE
宮坂昌之(みやさか・まさゆき)/大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授。大阪大学医学部教授、同大大学院医学系研究科教授などを歴任。2007~08年日本免疫学会会長。著書に『免疫力を強くする』(講談社)など。


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新型コロナでは、免疫細胞がウイルスと戦うために作る「サイトカイン」が、制御不能となって放出され続ける「サイトカインストーム」が起こり、自分の細胞まで傷づけてしまう現象が起こっています。



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