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新型コロナ感染症の対策

2020/09/01

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 -現代ビジネス- 2020年8月14日記事

『新型コロナ感染症の対策には、まだ決定的なモノが欠けている』


https://news.yahoo.co.jp/articles/2b9f6d84060c2828cb438f364b66c3d112232e65 >


20世紀の科学技術がもたらした幸福

2020年明けから、いつ晴れるとも知れない暗雲が地球を覆っている。新型コロナウイルスと人類との闘いが、持久戦の様相を呈してきているのだ。

21世紀を目前にしたころ、20世紀に登場した「人間を幸せにしたモノ」についてのアンケートに内外の識者が回答した。テレビ、飛行機、コンピューター……などを抑えて、堂々トップに立ったのは、実に「抗生物質(ペニシリンなど)」だった(2000年4月27日付『読売新聞』)。上位を占めたのは、いずれも科学技術の産物である。

それから20年、21世紀初頭に人類を見舞った空前のコロナ禍。飛行機によってヒトと共に運ばれたウイルスが感染を広げ、連日のテレビ報道を横目に見やりながら、在宅でコンピューターと向き合ってテレワークに勤しむ日々……。“幸せなモノ”に囲まれているはずの生活が、ちっとも幸福に見えないではないか。

決定的なモノが欠けている。前述したアンケートのトップにあるような薬である。病原体であるウイルスが根絶できそうもなく、治療薬やワクチンの登場は、人類共通の悲願となっている。残念ながら、ペニシリンに代表される抗生物質とは、抗菌薬のうち微生物が生産した物質のことである。細菌に対しては有用でも、ウイルスの前では無力である。


人類と感染症との長い戦い

さて、1928年にフレミングが青カビからペニシリンを発見し、一部の細菌との闘いに勝利するまでには、実に長い歴史がある。有史以来、人類は、死病と恐れられていた数々の感染症(伝染病)を乗り越えて生き永らえてきた。

一国あるいは一地域に暮らす大多数の人が死亡することもあり、感染症は、時として歴史を左右するほどの脅威となった。インカ帝国が16世紀に滅亡したのは、麻疹(はしか)や天然痘によって、人口崩壊を起こしたことが原因だとされる。また、中世ヨーロッパでは、ペストが蔓延して人口の半数が命を落とし、封建体制の崩壊につながったという。

人類の歴史が、感染症との戦いであるならば、医学の歴史は、感染症を克服しようと挑んだ日々と言えるかもしれない。世界各地で、疫病(伝染病)について紀元前の記録が見つかっている。日本では、8世紀の『日本書紀』に、疫気(えやみ)の記述がある。もっとも、疫病を鎮めようにも、加持祈禱に頼るか、今から見れば根拠の乏しい治療しかなかった。

目に見えない微生物が、伝染病を起こしていると次第に明かされ、それを標的とした治療が誕生するのは、はるか近現代まで待たねばならない。17世紀、オランダのレーウェンフックは、自作の顕微鏡で微生物の存在を確認し、観察記録を投稿した。しかし、それは単なる微生物の発見話にとどまり、医学的な解明が進むのは、それから200年して、近代細菌学の祖とされるコッホやパスツールが登場してからだ。

日本における“細菌学の父”は、ドイツのコッホの下に留学していた北里柴三郎(1853~1931年)である。師のコッホは、炭疽菌の純粋培養や結核菌の発見を遂げた。北里は1889年、世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功すると、破傷風菌の毒素を中和する抗毒素(抗体)を発見した。これを感染者に注射すると、毒素を無毒化する「薬」となり、初めて伝染病の原因に迫る治療となった。

帰国後に北里が設立した伝染病研究所(現・東京大学医科学研究所)からは、世界を苦しめる伝染病との闘いに挑む日本人が続々と現れた。赤痢菌を発見した志賀潔、梅毒の特効薬であるサルバルサンを発見した秦佐八郎、そして、黄熱病の研究に身を投じ感染して客死した野口英世など。世界では、ワクスマンが、ペニシリンより強力な抗生物質で、結核の特効薬となったストレプトマイシンを見いだした。


抗生物質では倒せない難敵の登場

抗生物質(抗菌薬)だけで、ヒトが幸せになれないのは、病原微生物は細菌だけでないからだ。中でも、19世紀に見つかったウイルスは難敵で、「生物」とも言い切れない。ウイルスは、遺伝子がタンパク質などに覆われただけの単純な構造で、自己複製能力を持たない。宿主となる生物の細胞に寄生して増殖するため、生体に影響を与えずウイルスだけを攻撃する薬を創るのは、極めて難しい。

加えて、ウイルスは大きさや形もさまざまなら、遺伝子を伝える仕組みも異なる。幅広い菌に有効性を示す抗菌薬とは違い、個々のウイルスに対応して薬を創らなくてはならない。これまで、ヘルペス、インフルエンザ、肝炎、エイズ……など、ごく限られた抗ウイルス薬しか実用化に至っていない。

21世紀の災厄を起こしているのも、またウイルス。コロナウイルスは、表面に王冠状の突起があり、これが太陽のコロナのように見えることでその名が付いた。今回の新型コロナウイルスは、ヒトに感染するコロナウイルスとしては7種類目。1月にはその正体が突き止められ、全ゲノム解析などによる遺伝子配列も公開されたが、まだ特効薬はない。

そもそも、新しい薬を世に出すには、候補物質の選定から始まり、有効性と安全性を動物やヒトで念入りに検証しなくてはならない。現代では、それに10年あまりの歳月と1000億円以上の研究開発費用がかかるとされる。新型コロナウイルスに狙いを定めた特効薬ができれば理想的だが、一朝一夕にはいかない。そこで、既に承認されて使用経験のある薬の中から、新型コロナウイルスにも効果のあるものが見つかれば、こうしたプロセスを大幅に短縮することができる。

そうした発想で探索する中で、日本発の薬が、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補として脚光を浴びている。日本で治験や臨床研究が進められている四つの薬を紹介しよう。


日本発の四つの薬

まず、アビガンは、インフルエンザ治療薬である。動物の試験で催奇形性(妊娠初期に服用すると流産や奇形を持った子が生まれる可能性)が見つかったため、既存薬が効かないインフルエンザ流行時という非常事態用の条件付きで承認され、市場には出ず、日本政府が備蓄していた。コロナウイルスは、インフルエンザウイルスと同じRNAウイルスという種類であり、アビガン投与によりウイルス増殖を抑える効果が認められた。

次に、アクテムラは、炎症などを起こすIL-6(インターロイキン6)というタンパク質を抑える免疫抑制薬で、関節リウマチ治療薬として世界中で使われている。IL-6を発見し、薬の開発につなげたのは、世界的な免疫学者の岸本忠三氏(元・大阪大学学長)だ。アクテムラには、新型コロナウイルスによる重症肺炎の治療効果が確認されている。

また、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智氏(北里大学特別栄誉教授)が、静岡県伊東市の土壌から見つけた放線菌の代謝物であるイベルメクチンにも、新型コロナウイルスの増殖抑制効果が見つかった。この薬は、熱帯の寄生虫感染症である河川盲目症の特効薬で、年間3億人以上を失明の危機から救った薬であり、日本でもダニにより引き起こされる疥癬などの治療薬として承認されている。

さらに、急性膵炎の治療薬であるフサン。肺細胞への感染には、ウイルス突起のタンパク質が酵素で切断される必要があるが、フサンはこの酵素の働きを阻害するとされる。

アビガンは抗ウイルス薬であるが、それ以外は、一見するとウイルスとは無関係な薬だ。新型コロナウイルス感染症は、それだけ複雑な病気なのだが、日本の科学研究が、薬を通じて人類の危機に貢献できるとしたら喜ばしいことだ。

中国古代の『易経』に、「安而不忘危 存而不忘亡 治而不忘乱(安にして危を忘れず、存にして亡を忘れず、治にいて乱を忘れず)」とある。新薬開発に時間がかかるように、薬を創り出すような科学者は、すぐには育てられない。日本は基礎科学の力を保ち、科学立国であり続けなくてはならない。

この夏、56年ぶりに東京に灯された聖火の下、五大陸から集ったアスリートの勇姿に世界中の人々が目を奪われていたはずだった。再びその輝かしい時を迎えられるよう、今は世界中で科学者たちが、新型コロナウイルスに打ち勝つ薬(治療薬やワクチン)の開発に鎬を削っている。「より早く、より効果的で、より安全な」薬の登場を願い、エールを送ろう。


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コロナ治療の現場の体感などでは、『アビガン』は効いています。

ただ、効いている証明することになると、対照の作り方など難しい点があります。

また、命のかかった一刻を争う患者について、対照群と比べて~など、簡単にできるものではありません。

ワザと効果が出にくい方法で治験がされていました。

だから、なかなか有効性の証明ができてないだけです。



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