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楽観できないワクチン・治療薬の開発 突然変異など謎多い新型コロナウイルス①

2020/09/15

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 -時事通信- 2020年8月30日記事

『楽観できないワクチン・治療薬の開発 突然変異など謎多い新型コロナウイルス』

https://news.yahoo.co.jp/articles/f4708c545fce32a5d1819ab22136b83df02640cc  >


NPO法人医療ガバナンス研究所理事長・上 昌広

新型コロナウイルスのパンデミックが続いている。今後、どうなるのだろうか。

特記すべきは、抗体保有率が低いことだ。集団免疫戦略を採ったスウェーデンの首都ストックホルムでさえ、5万人の住民を対象とした調査で、抗体保有率は14%にすぎなかった。

日本の保有率はもっと低い。ソフトバンクグループが従業員ら4万4066人を対象に実施した調査では、抗体保有率はわずか0.43%。

ストックホルム大学の研究者たちが米『サイエンス』誌に発表した論文によると、集団免疫を獲得するには、最も低い水準でも43%の抗体保有率が必要という。絶望的な数字だ。

そうなると、新型コロナウイルスを克服するには、ワクチンと治療薬を開発するしかない。本稿ではワクチン・治療薬開発の現状をご紹介しよう。


ハードル高い第3相臨床試験

まずはワクチンだが、報道によれば、開発は順調に進んでいるかに見える。

「ワクチン開発急ピッチ」(読売新聞6月30日)、「中国生物技術、コロナワクチン治験で抗体の生成確認」(ロイター6月16日)、「コロナワクチン、12~18カ月で実用化目指す WHO」(朝日新聞6月27日)といった記事が連日のように掲載されている。

私の知る限り、このような記事を鵜呑(うの)みにしている専門家はいない。ワクチン開発は難しい。知人の製薬企業社員は「第1相や第2相試験で抗体が確認されても、その抗体が機能し、感染を予防するかは分からない」という。

ワクチンの目的は、感染症を予防することである。プラセボ(偽薬)投与群と比較した第3相臨床試験を行い、ワクチン投与群で実際に感染者が減ったことを証明しなければ、開発に成功したとはいえない。

効果を証明するには大規模な臨床試験が必要になり、このような試験を遂行することによって安全性は担保される。

HIV(エイズウイルス)ワクチンをはじめ、多くのワクチン開発が第3相試験で失敗してきた。第1、2相臨床試験では抗体価が上昇したが、感染の予防にはつながらなかった。

私の知る限り、日本の製薬企業でワクチンの第3相臨床試験を成功させたのは武田薬品工業だけだ。

中南米諸国や東南アジアなどのデング熱の流行地域で、1万9021人の4~16歳の健康な子ども・青年を対象にデングウイルスワクチンの臨床試験を実施し、感染を80.9%減らすことを証明した。

ただ、1~4型まで存在するデングウイルスの亜型のうち、3、4型についての予防効果は不十分で、デングウイルスワクチンの開発はまだ途上といえる。ちなみに、この臨床試験の結果は昨年公表され、現在、承認申請中だ。

新型コロナウイルスはRNAウイルスに分類される。DNAウイルスと比べて突然変異が生じやすく、ワクチン開発は苦戦する。

さらに、新型コロナウイルスワクチンは、短期間に大量生産できることを求められている。

麻疹風疹混合(MR)ワクチンや水痘ワクチンのような生ワクチン、インフルエンザワクチンなどの不活化ワクチン(培養ウイルスを精製し、加熱やホルマリンなどを用いて感染力をなくしたもの)のような時間と費用を要する方法では対処できない。

開発中の新型コロナウイルスワクチンの多くは、ウイルスのメッセンジャーRNA(mRNA)やDNAなどの一部を体内に導入し、このような塩基が作り出すタンパク質が免疫を誘導することを狙っている。

しかし、現時点でこのような形で誘導された免疫が、有効かつ持続的に機能するかどうかは分からない。それは、これまで検証されていない多くの問題があるからだ。

例えば、体内では、ウイルスが発現するさまざまなタンパク質に対し、免疫反応が生じている。特定の抗原だけで有効な免疫を誘導できるかどうかは、やってみないと分からない。

また、開発中の多くが、新型コロナウイルスがヒト細胞に感染する際に足掛かりとなるスパイクタンパク質遺伝子を導入した遺伝子組み換えワクチンを利用している。

スパイクタンパク質遺伝子は突然変異が生じやすい。突然変異した抗原に対しても、ワクチンにより誘導された免疫が作用するかどうかは分からない。

そして、新型コロナウイルスにどのような変異が生じるかも分からない。かくのごとく、ワクチン開発は不明な点だらけといえる。

前出の製薬企業社員は「世界中で実施されているすべてのワクチン開発が失敗しても不思議ではない」という。ここまで悲観的ではないとしても、専門家は楽観視していない。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も、「ワクチンの有効率は70~75%がいいところだろう」とコメントし、米国民の3分の2が接種しても、「集団免疫を獲得することはあり得ない」との見解を示している。

ワクチン開発は前途多難だ。日本での報道内容とは随分違う。


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新型コロナへのワクチンは厳しいと思います。

②に続く



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